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2017年7月22日 (土)

☆ ロイヤル訪問看護ステーションの ナラティブ ☆

こんにちは ロイヤル訪問看護ステーションです
皆さんは 「ナラティブ」という言葉を耳にされた機会はありますでしょうか。
ナラティブとは、「臨床での出来事やその場面を一人称の物語風に記述したもの」をいいます。
今日は、当ステーションの看護師Oさんのナラティブをご紹介させていただきます。
看護師が普段どんなことを考えながら利用者様と接しているかを感じていただければいいなと思います。

初回の時にあまり先は長くないことは予測できた。

 

S様の話をきいていると家が好きなことは伝わった。家の中にも趣味の写真や土建の資格証、大好きなクラシックのCDが100枚以上あった。家の所々に自分でDIYしたものもあり訪問時に誇らしげにお話されていた。私の中では家で看取れたらいいなーとこちら側の漠然な思いと、本人が希望されている3月の旅行に行かせてあげたいという思いだった。

 

状態が悪くなる中でもはじめは死が近づいているとは本人も奥様もわかっていなかった。

 

奥様とは訪問の度に駐車場から家までの距離を歩きながら私はこれから起こりうることと現在の状態を説明した。奥様の気持ちも毎回きくようにしていた。奥様は旅行に関しては旅先で何かあったら心配と乗り気ではなかったが、本人が私たちに「最後の旅行で若いころ一度奥様と行ったことのある大分を選び家族ではなく二人の旅行にしたい」と話してくれたことを奥様に話したとき、照れくさそうにしていたのが印象的だった。

 

旅行は本人がすべて計画を立てて旅先での介護タクシーの手配、在宅酸素の手配、飛行機の手配までしていた。

 

期待とは裏腹に状態はさらに悪化。自分で余命を悟ったのか、旅行を自分でキャンセルしたのをきっかけか、2月頃から自分の最期について考えるようになった。夫婦愛を考えると在宅看取りが残される奥様にとっても本人にとっても一番「らしい最期」なのではないかと考え急いで往診にきりかえた。居室はトイレが近い北側から本人の趣味に囲まれた南側の部屋に移動したことも看取りには最高の場所だった。エアーマットは最後まで拒否。お気に入りのマットで。どうにか褥瘡をつくらないようにとヒヤヒヤしながら毎回お尻をみて保湿ケアをしていた。予防的にフィルムを貼っていたのもよかったのか最後までスキントラブルはなかった。「延命はしたくない、枯れるように死にたい」と話してくれたことに私は最期を任された思いになった。聞かれたことにはこちらも正直に応えるようにした。

 

ぎりぎりまで意識がありレベルが落ちてから永眠するまで20時間。奥様は近々、死が近いのはわかっていたが今とは思えず子供達を前日に会わせるようにお話したが翌日でよいと思い死に目にはあえなかった。そこはもっと奥様に現状をうまく伝えるべきだったと反省する。エンゼルケアも本人の好きな曲を聴きながら子供、孫たちとおこない、涙と笑いがあった。父らしさを初めて会った私に話しながら髭をそる娘様と背広を着せる息子様。私は、S様が私に話してくれた家族のことを娘様と息子様にお話ししました。家族に言えなかったことを私に話してくれたことがたくさんあり、私たちの仕事はそれを伝えることもS様が生きてきた証として大事なことではないかとふりかえる。

グリーフケア時、奥様の話では、家で看取るなんて考えてもいなかったが最期までここで過ごせてよかった。淋しくてまだ良眠はできず薬を飲んで夜はねている。パソコンの中に葬儀の時の手紙が入っていてびっくり。桜の写真がたくさんあり思い出がたくさんと。。。。思い出話をしてくれた。写真をもらってほしいとの希望もあり、私もS様との出逢いと感謝を形にしたく写真をいただいた。短期間の関わりだったが旅行にいけなかったのが残念だったが、利用者の最期を利用者と一緒に考えた貴重なケースだった。」

以上、全文ご紹介させていただきます
不定期ではありますが、今後またご紹介させていただければと思っています。

~ロイヤル訪問看護ステーション~

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